正しい歴史教育が若人に民族の誇りを与える
--国家への誇りが自信となり若人に夢を語らせる
私は、三十八年間にわたる教員生活の中で、多くの生徒に接するたびに、君の「将来の夢は!」「尊敬する人は!」「どのような人間になりたいのか!」、また、夢を達成するためには「どのような努力」をすればよいのかを尋ねてきました。
驚くことに、日本の未来を背負っていく多くの生徒は、「夢」を語れず、「価値ある人物像」を持てず、人は「なぜ学ぶのか」を語ることができない。それが中学三年の進路決定時において、進路指導の大きな妨げとなっています。
また、「人としてどう生きるのか」の問いに至っては、答えられる者は少数であり、しっかりとした「夢」と「目的意識」を明確に持った、向学心あふれる生徒はごく少数なのであります。それらが無気力、我がまま、不登校、学校不適応、いじめ、校内暴力、青少年犯罪へとなって全国的な社会問題となっているのです。
これらの問題の背景には、幼児期からの発達課題の達成に問題があることに気がつく。幼児期の「甘やかし」から来る「しつけ」や「がまん」の体得不足、家庭崩壊など、親の身勝手な行動による『愛情不足』も原因となっていることが多い。つまり、子供の成長には「愛情と躾と我慢」というバランスの良い味付けが欠かせないということであります。
--自由と人権と個性の重視がポピュリズムをもたらした
「夢を語れない」という生徒たちの要因は様々あります。
日本人は敗戦後の焦土化された国土復興のために遮二無に働き、世界の奇跡といわれる経済復興を見事に成し遂げました。しかし残念なことに日本が誇る伝統的、文化的価値を若者に教育することを疎かにしてしまったのです。その背景となる見逃すことのできない事実は、戦後のGHQの占領政策による反日教育の徹底です。それは「日本を二度とアメリカに立ち向かうことのできない国にする目的」を達成させるための教育施策でした。
学校教育においても民主主義の実現のためとして「人権の尊重」「個性の尊重」「自由と平等」をスローガンに掲げ、全国の教員養成機関に左翼がかった思想が浸透しました。日教組を中心とした、社会主義者による反日的思想を教育された者が次には左翼教育の原動力となり、公教育の場を通して児童・生徒に根強い洗脳をくり返してきました。
また、連合国総司令部による「日本は外国を侵略した恥ずかしい国」、「略奪や残忍な行為をする日本軍」などという宣伝がラジオ、新聞による『太平洋戦争史』などによって「占領国が正義である」がごとくに日本国民に刷り込まれて行きました。GHQは検閲による言論統制、焚書による学問・思想の弾圧、公職追放(教職追放を含む)など、戦前の日本的伝統文化の価値や宗教心の大切さを殆ど否定する日本の歴史の抹殺を実行しました。
こうしたこともあって、日本人は日本という「国柄」と、国民としての「義務」を次世代に教育することができなかったのです。
--国の成り立ちと国民の在り方
今日の混沌とした日本社会の有り様をもたらした根本原因は、戦後教育において、日本という「国の成り立ち」と、その国家を成り立たせる根本となるいわゆる「国体」とは何か、国家を支える社会の一員としての「国民の果たすべき義務」とは何かを教育をすることを疎かにしてきたことにあります。
今日の国家指導者たる者の主体性の無さは、国家の主権にかかわる諸問題への対処に特徴的にあらわれています。日米安保条約と普天間基地、インド洋の海上給油、北方領土、北朝鮮による拉致、竹島の領有権、尖閣諸島、などの問題での外交をみると、国内世論と政党維持に振り回された、国家利益を無視した国家理念なき対応であり「公」の精神による「国益」を追求するという、国家指導者としての「使命感」や「気概」のない、及び腰の外交政策です。
一方、教育では「人権」「個性」「自由」を重視し過ぎた「温室教育」により、国民の多くが我が儘で、軟弱であり、判断力不足の人間となっています。それらが日本国民としての意識、誇り、自尊心の欠如となり、社会貢献をすることなく、自己利益ばかりを追い求める、非生産型の人間を社会に送り出することとなりました。
その結果として、国家の危機の意識や社会の出来事での「真偽」を嗅ぎわける「能力」と「気力」を失わせてしまいました。
このような大衆迎合による、混沌とした世の中を正常化するには、青少年期に正しく歴史を学ばせて、日本という国家の偉大さと、歴史上の先人たちの優れた生き様から、誇りと生きがいを感じ取らせていかなければならないと思います。
古代から私たちの祖先は、少ない資源を生かす工夫や、物を大切にする生活をして絶えず道具に工夫や改良を加えることをしてきました。また大陸の先進文化を取捨選択しながら積極的に取り入れ、それを日本の繁栄に結び付けてきました。今日の「ものづくり大国日本」は、風土が生んだ、変化への対応の早さと勤勉さがもたらしたものであります。
また、これまでの日本国家の存続と発展を成し遂げるために、死力を尽くして見事に生き抜いてきた歴史上の人物や、日本の近代化にあたり庶民にまで影響を与えた、神道・仏教・儒教が融合されて日本国民の精神の支柱となっている「武士道」精神を『新しい歴史教科書』により学び取らせることが、日本国と日本人であることに誇りを持たせることになると思っています。









