災害への対応と国民性
平成22年1月 岡野俊昭
1月13日中南米ハイチでマグネチューウド7,0の大地震があった。
これは憂慮すべき大変な事態である。ハイチは住民の90%以上がキリスト教の信者である。その現地では暴動、略奪が横行し秩序だった救出や復興の妨げとなっている。日本でも15年前の平成7年1月17日の早朝に阪神淡路大震災という大災害があったが暴動や略奪は起こらなかった。
かつて私はバルセロナの日本人学校で校長をしていたころ、しばしば次のような質問をされた。日本人は無宗教で絶対の神が存在していないのに、大災害があっても、なぜ静かに辛抱できるのか、我々は宗教をもって律されているが、日本人のような立派な態度や行動がとれていない。この日本人の道徳性の高さはどこから来るのか、教えてほしいと。 私は、次のように説明をした。日本人は太古の昔より、大自然を神として崇め奉り、そこから受ける恵みに感謝し、災害に対しては畏れを持ってそれを享受してきたこと、モンスーン気候での稲作を中心とした農作業の特性から、長い年月を経て、「共助による共生」という徳性を身に付け、治安の維持や生活の安定を確保してきたこと、こうした人としての在り方の根底には「武士道」が庶民の間にも流れ定着していることなどを説明して理解を求めた。 そのような世界に冠たる日本民族の「徳性」は歴史から生き様を紐解けば其れがわかる。その日本が今、政権交代による混乱、デフレ不況、不甲斐ない外交、教育現場の乱れ、家庭崩壊などの精神の荒廃が進行し、日本社会全体が深い閉そく感にとらわれている。この憂える状態を打破するには、今もう一度,江戸末期から明治を生き、国家のために薄氷を踏む思いで日本の近代化を推し進めてきた先人の方々の、気概あふれる生き様を思い起こし、今日の範としなければならない。 「伝統文化と道徳」を失った国は滅びるといわれる。この日本を立て直すには、日本の良き文化と伝統に立ち返り、長い歴史の知恵に学び、国民がまっとうな日本人となり、国がまっとうな国家になることである。 それには、日本の未来を担う若者に、正しい歴史教育を施し日本国民としての誇りと自信を身に付けた志高き若者を育成すべきである。









